「新しい魚を買ってきた!」「水槽を用意して、カルキを抜いた水も入れた!」
買ってきた魚を、新しい水槽にいきなり入れようとしていませんか。

ちょっと、待ってください!
そんなことをするとせっかくの魚が、弱ってすぐに死んでしまいますよ。
水槽も水もきちんと用意したのです。
魚を水槽に入れる前に、もうひと手間かけましょう。
ステップ1 温度合わせ
お店から買ってきた魚は、ビニール袋に入っていることが多いと思います。
そのビニール袋を、袋のまま水槽にしばらく浮かべておきましょう。
時間は水槽の水とビニール袋の水が、同じくらいの温度になるまでです。
だいたい30分~1時間くらいを目安にしましょう。
- 魚の入ったビニール袋を水槽に浮かべる
- 30分から1時間ほどそのまま待つ
温度合わせをする意味(水温ショックを起こさないために)
魚の入ったビニール袋の水温は、外の気温に左右されています。
水槽の水温と差があることが多いのです。
急に暖かいところから寒いところに、または、寒いところからうだるような暑さのところへ移されたら、人間だってびっくりします。
人間なら服を着こんだり、汗を出したりして体温調整ができ、びっくりする程度で済みますが、魚は場合この温度変化が死に繋がってしまいます。
水の温度差によって魚が弱ったり死んでしまうことを「水温ショック」といいます。
せっかく自分で選んできた魚です。
無事に水槽で泳ぐ姿を見るために、温度合わせは必ず行いましょう。
水温ショックを起こさないためにも、温度合わせはしっかり行おう!

水槽用に温度計があると便利です。
デジタル温度計もありますよ。
ステップ2 水合わせ
まず魚の入ったビニール袋を開け、スポイトやカップなどで、ビニール袋の水を3分の1ほど抜きます。
そして抜いた水の分だけ、水槽の水をゆっくりとビニール袋に注いでいきます。

魚がびっくりしないように、少しずつ注いでいきましょう。
ここでもし魚が激しく飛び跳ねるなどの異常が起こったら、すぐに水を注ぐのをやめて魚が落ち着くのを待ちます。
魚が異常な反応を起こすときは、魚が今いるビニール袋の水と、水槽の水の水質がかなり異なっていると考えましょう。
この作業の目的は、魚を水槽の水に慣れさせることですから、魚の様子を見ながら慎重に行います。
注ぎ終わったら、30分ほど待って魚を慣れさせます。
30分経ったら再びビニール袋から3分の1ほど抜いて、水槽の水を抜いた分だけ注ぎ込みます。
これを3~4回繰り返して、徐々に魚を新居である水槽の水に慣れさせていくのです。
- 魚の入ったビニール袋を開ける
- スポイトやカップなどで、ビニール袋の水を3分の1ほど抜く
- 抜いた水の分だけ、水槽の水をビニール袋に注ぐ(ゆっくりと!)
- ※魚に異常が起こったら、すぐに水を注ぐのをやめて魚が落ち着くのを待つこと
- 注ぎ終わったら、30分ほど待つ
- 1~5の手順を、3回か4回繰り返す
水合わせを行う意味(pHショックを起こさないために)
魚が入っているビニール袋の水はお店の水です。
そして、水槽に入っている水は自宅の水です。
当たり前ですが、この2種類の水の水質は別物です。
わずかな差かもしれませんが、このわずかが魚にとっては命を脅かすレベルのものなのです。
人間でいうなら、花粉症で表現するとわかりやすいかもしれません。
空気清浄機を回した空気のきれいな空間にいた花粉症の人が、花粉舞い散る部屋に入ったらどうなるでしょうか。
くしゃみ鼻水などの激しい反応を起こしますよね。
魚もいきなり違う水質の場所に放り出されたら、ショック状態を起こして弱り、最悪死んでしまいます。
このショック状態のことを、水質の酸性・アルカリ性を表すpH(ペーハー)にちなんで「pH(ペーハー)ショック」と呼びます。
せっかく温度合わせをしたのに、pH(ペーハー)ショックで魚が弱ってしまっては元も子もありません。
めんどくさがらずに、水合わせはしっかりと行いましょう。
pH(ペーハー)ショックを起こさないためにも、水合わせはしっかり行おう!

pH(ペーハー)を簡単に測定できるテスト試験紙が、販売されています。
ステップ3 魚を水槽へ入れる
いよいよ魚を水槽へ入れましょう。
ところで、網ですくって入れようとしていませんか。
網では魚の体を傷つけてしまう恐れがあります。
せっかく温度合わせも水合わせもして、魚を気遣ってきたのです。
魚を傷つけないようにカップなど、水ごと移動できる入れ物に入れて魚を水槽に移しましょう。
メダカなどの小型魚なら、食事用のレンゲでもいいですね。
カップやレンゲですくって、魚を傷つけないようにしよう!
カップですくって水槽へ入れる
ビニール袋の水は魚を捕まえやすいくらいまで、減らしておきます。
カップですくうときは、魚を追い回したりしないで素早く捕まえましょう。
後ろから追いかけるのではなく、カップを水に入れて魚が自分でカップの中に入ってきた瞬間に引き上げる、待ち伏せ方式がおすすめです。
水槽へ入れる際は、カップごと水槽の水に浸して、魚が自分でカップから出ていくまで待ちます。
魚が出て行ったあとは、元ビニール袋の水をできるだけ入れないように、水が入ったままカップを引き上げます。
まとめ
- 温度合わせをする
- 水合わせをする
- 水ごとすくえる容器で魚を水槽へ移す
以上が、魚を新しく水槽に入れる際の注意点になります。
せっかく新しい仲間として迎え入れたのです。
水槽で元気に泳ぐ姿を見るために、最初の手間は惜しまないようにしましょう。

では、よいアクアライフを!
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